北方謙三
文庫本



三国志 一の巻 三国志 一の巻
  天狼の星(てんろうのほし)

時は、後漢末の中国。
政が乱れ賊の蔓延る世に、信義を貫く者があった。
姓は劉、名は備、字は元徳。
その男と出会い、共に覇道を歩む決意をする関羽と張飛。
黄巾賊が全土で蜂起するなか、劉備らはその闘いへ身を投じていく。
官軍として、黄巾賊討伐にあたる曹操。
義勇兵に身を置き野望を馳せる孫堅。
覇業を志す者たちが起ち、出会い、乱世に風を興す。
激しくも哀切な興亡ドラマを雄渾華麗に謳いあげる
北方謙三の〈三国志〉第一巻。
天狼の星 目次
 馬群
 砂塵遠く
 天子崩御
 洛陽内外
 諸侯参集
 群雄の時
 地平はるかなり
登場人物
劉備 りゅうび 漢の中山靖王劉勝の子孫。家が貧しく母と蓆を織って生計を立てる。184年関羽、張飛と義兄弟の契りを結び、黄巾討伐に参加。
関羽 かんう 劉備、張飛と義兄弟になり黄巾討伐を行う。191年、董卓討伐軍に加わり、華雄を斬って勇名を馳せる。
張飛 ちょうひ 劉備、関羽の義兄弟。
曹操 そうそう 20歳で朝廷に出仕し黄巾の乱の鎮圧にあたる。189年、陳留で挙兵、翌年諸侯とともに董卓を討つ。
夏候惇 かこうとん 曹操の武将。
夏候淵 かこうえん 夏候惇の従弟。
孫堅 そんけん 184年、黄巾討伐に参加。後に長沙太守となる。190年、董卓討伐で氾水関を攻める。翌年洛陽に入り、伝国の玉璽を得て帰国する。
孫策 そんさく 孫堅の長男。191年、父に従って劉表を攻める。
孫権 そんけん 孫堅の次男。
周愉 しゅうゆ 孫策と義兄弟の契りを交わす。
廬植 ろしょく 若き日の劉備の学問の師。184年、黄巾軍の鎮圧にあたるが宦官に賄賂を贈らなかったために罷免される。
公孫讃 こうそんさん 幽州の将軍。廬植門下で劉備の先輩にあたる。
皇甫嵩 こうほすう 後漢の官僚。霊帝の時、大将軍何進の命令で黄巾賊の討伐に向かい、頭目張角の弟張梁、張宝の軍を破った。
朱儁 しゅしゅん 後漢の官僚。黄巾の乱の鎮圧で功績をあげる。
董卓 とうたく 廬植にかわって黄巾賊討伐に参加。何進の宦官朱滅の招集に応じ、洛陽に入る。その後は権力を欲しいままにする。
何進 かしん 何太后の兄、霊帝の時の大将軍。宦官の陰謀で殺される。
袁紹 えんしょう 後漢の豪族で四代にわたり三公を出した名門に生まれる。何進に宦官の撲滅を勧める。董卓討伐にあたっては諸侯の盟主に立てられる。
袁術 えんじゅつ 袁紹の弟。
丁原 ていげん 呂布の義父。皇子弁の廃位に反対し董卓と対立する。董卓に買収された養子の呂布に殺される。
呂布 りょふ 丁原の義子であったが、後に丁原を殺しての董卓の義子となる。
劉表 りゅうひょう 後漢皇族の末裔。荊州剌史をつとめる。191年、玉璽を携え帰国した孫堅と争う。

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