北方謙三
文庫本



三国志 十二の巻 三国志 十二の巻
  霹靂の星(へきれきのほし)

英雄は去り行く。
劉備の意志を受け継いだ諸葛亮は、疲弊した蜀の国力を一年で回復させた。
蜀に残された道を進むべく、孔明は、自ら豪族たちの蔓延る南中の平定を目指す。
一方、大軍を率いて呉に敗退した魏帝曹丕は、周囲の反対を押し切り、再び広陵への親征を強行する。
だが、度重なる敗戦は彼の身体をも蝕んでいく。
魏の侵攻を悉く退け、さらなる飛躍の機を伺う陸遜。
孔明の乾坤一擲の北伐策に、その武勇を賭ける趙雲。
遺された志に光は射すのか。
北方謙三の〈三国志〉慟哭の第十二巻。
霹靂の星 目次
 南中の獅子
 さらば原野よ
 北への遠い道
 天運われにあらず
 再起するは君
 老兵の花
登場人物
劉備 りゅうび 漢の中山靖王劉勝の子孫。184年関羽、張飛と義兄弟の契りを結び、黄巾討伐に参加。その後、軍師に孔明を迎え蜀漢を建国するが、夷陵の戦いで呉に敗れ、白帝城で病死。
諸葛亮 しょかつりょう 字は公明。“臥竜”と呼ばれ、劉備の軍師として仕える。亡き劉備の志を受け継ぎ、漢王室を中心とした三国の統一を目指す。
関羽 かんう 劉備、張飛と義兄弟になり黄巾討伐を行う。劉備たちが益州の攻略に向かった後、荊州の領地を守るが、樊城攻めの際、呉の裏切りにより戦死。。
張飛 ちょうひ 劉備、関羽の義兄弟。関羽とともに劉備軍を代表する武将。関羽の弔い合戦に荊州へと赴く直前、暗殺される。
趙雲 ちょううん 関羽、張飛と並び称された蜀の将軍。長坂では、幼い劉禅の命を救う。
劉禅 りゅうぜん 劉備の息子。劉備の死後、蜀漢の帝となる。
馬謖 ばしょく 馬良の弟。孔明はその能力を高く評価している。
曹操 そうそう 黄巾討伐、董卓討伐の後、官渡の戦いにおいて袁紹軍を破り、国の大半を手中にする。魏公まで昇るが、統一をなかばにして死去。
曹丕 そうひ 曹操の息子として弟の曹植と後継を争う。曹操の死後、献帝から禅譲を受け、魏帝となる。
曹叡 そうえい 曹丕の息子。幼い頃から利発で、曹操も孫にあたる彼をこよなく愛した。
司馬懿 しばい 字は仲達。曹操に仕官する。曹丕とは気が合い、彼の側近となる。
許楮 きよちよ 曹操の護衛。忠勇無双の武人。
孟達 もうたつ もとは蜀の武将だったが、関羽が樊城攻める際に裏切り、そのまま魏に寝返る。
陳羣 ちんぐん 字は長文。曹丕が帝に昇ると、司馬懿とともに彼の側近となる。
孫権 そんけん 孫堅の次男。200年、暗殺された兄・孫策の志を受け継ぐ。
張昭 ちょうしょう 孫堅の時代から仕える孫権配下の重臣。
諸葛瑾 しょかっきん 孔明の兄。文官として孫権に仕える。
陸遜 りくそん 孫権配下の武将。周愉の信頼も厚い。
陵統 りょうとう 父の代より孫気に仕える武将。陸遜とともに亡き周愉の夢を受け継ぐ。
王平 おうへい 字は子均。実直で堅実な武人。
馬超 ばちょう 馬謄の長男。“錦馬超”と呼ばれる勇猛な武人。関中で曹操に敗北し、劉備の配下となるが、簡雍の死後は蜀を離れ、一人の人間として生きることを選ぶ。
馬岱 ばたい 馬超の従弟にあたる。武将として蜀に仕える。
孟獲 もうかく 南中では最も声望の高い豪族。蜀の南征に立ちはばかる。

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