北方謙三 文庫本
雑踏の中、私に突きささる熱い視線。 人波の中に立っていたのは刑事・村尾。 四年ぶりの出会いだった。 服役中の川口から、会いに来てくれという一通の手紙。 だが、面会に旅立つ直前、彼の急死を知らされた。 川口は私に何を伝えたかったのか。 あの矢沢一成を殺せというのか。 それとも死の直前まで気にしていた娘のことなのか。 私は再び、私自身の、そして川口の過去へと連れ戻されていった。 男たちの心の深奥にある荒野を描く傑作ハードボイルド。
昭和60年10月25日 初版発行